@article{oai:mue.repo.nii.ac.jp:00001215, author = {田端, 健人}, journal = {宮城教育大学紀要}, month = {Jan}, note = {本稿の目的は、対話的な学びの教育的意義を理論的に導出することである。筆者は、子どもの哲学 p4c の研究実践を重ね、その中でp4cと討議デモクラシーとの類似点に気づき、「討議教育」と銘打った対話的な学びを提案し、共同研究している(1節)。本稿では、これら3タイプの対話的な学びの共通原理を、ハーバーマスの「理念的発話状況の先取り」として抽出する(2節)。この原理についてはこれまで、理想に過ぎないとか非現実的であるとかの批判が絶えなかった。そこで本稿では、この原理が現象学由来であり、存在理解という存在論的次元で共同企投されることを示すことで、この原理についての理解を一歩前進させたい(3節)。こうした原理を抽出することにより、これら3タイプの対話が「合意モデル」の討議であり、雑談や世間話と異なるだけでなく、ディベートや法廷弁論などの「闘争モデル」の討論とも根本的に異なることが明らかになる(4節)。また、合意モデルの討議が地平とする「生活世界」についてのハーバーマスの独自の解明に依拠し、生活世界は学習や教育により創造的に再生産されること、また生活世界は「文化」「社会」「人格」の₃成分により構成されることを指摘する(5節)。このことにより、これら3構造的成分のそれぞれの次元での再生産の危機が「意味喪失」「アノミー」「精神病理」にいたること、逆に、討議による学習や教育がこうした病理現象を予防し回復させる教育的意義をもつことが明らかになる(6節)。さらにハーバーマスによれば、こうした危機現象が近代という時代的な病理現象「システムによる生活世界の植民地化」と連動していることから、討議には、こうした時代的病理現象への抵抗という壮大な教育的意義が潜在しいることを指摘する(7節)。}, pages = {287--294}, title = {教室での「討議(話し合い)」の教育的意義─システムによる生活世界の植民地化への抵抗の現象学─}, volume = {55}, year = {2021} }