@article{oai:mue.repo.nii.ac.jp:00000259, author = {川崎, 惣一}, journal = {宮城教育大学紀要, Bulletin of Miyagi University of Education}, month = {Jan}, note = {本論の目的は、人間が生きるうえで必要不可欠である「食べること」という営みが、人間と自然との関わりをどのように規定しているのかという問題について、人類の歴史を振り返りつつ、哲学的に考察を加えることにある。人間と動物は「食べること」において共通しており、「食べること」を通して栄養素を摂取することで、活動のエネルギーを得るだけでなく、自らを新たに作り出してもいる。しかし、人間において特徴的なのは、「食べること」それ自体が楽しみとして追求されるという点である。この点において人間の「食べること」は、生命的な次元を超え出ていると言える。火を使って料理することは、「食べること」によるカロリー摂取の効率を上げることを可能にし、これによって人類は独自の進化をとげることに成功した。火の使用による料理は、人間が自然を自らの意志に従わせる基本的な手段となった。料理はまた集団の成員がともに食べるという習慣を生み出したことで、文化の成立・発展に寄与した。さらに食料の生産を目的とした農耕が始まり、人間は自然を積極的かつ組織的に改変・利用するようになった。時代を経て、いまや人間は、量と質の両面において自然を過度に改変し、そのことが人間自身に悪影響を与え、人類の存続そのものを危うくするに至っている。こうしたさまざまな問題を検討するためにも、「食べること」をめぐって、たとえば人間が何をどのように食べているかを文化的および歴史的に振り返ることで、人間と自然との関わりをあらためて問い直すことが重要である。}, pages = {89--99}, title = {「食べること」についての哲学的試論 : 人間と自然との関わりという観点から}, volume = {48}, year = {2014} }