@article{oai:mue.repo.nii.ac.jp:00000416, author = {川崎, 惣一}, journal = {宮城教育大学紀要, Bulletin of Miyagi University of Education}, month = {Jan}, note = {本論の目的はリクール正義論を検討し、その意義と射程を見定めることにある。『他者のような自己自身』が出版された1990年前後から、リクールの思想は倫理学に傾斜していくようになる。またこの時期に、リクールは正義の概念についての検討を行ってもいる。したがってリクール正義論は自らの倫理学としっかり結びつけられており、「善い生き方の願望」という人間学的平面において構想されている。これが彼の正義論の意義である。リクールはロールズ正義論を評価しつつも、それが「手続き的正義」であって超越論的基礎づけを欠いたものと特徴づけている。そしてロールズといえども、正義の多様性に起因するさまざまな抗争に突き当たる際には「実践的知恵」に訴える必要が出てくるとする。リクールにおいて正義は制度と結びつけて構想されており、なかでも裁判がモデルとされている。裁きにおいて被害者、加害者、さらに司法との間に「適正な距離」が置かれることで、復讐の欲求を鎮め、安寧な社会を構築することが目標とされており(この意味での正義をリクールは「修復的、再構築的正義」と呼んでいる)、このことはわたしたちが「善い生き方」を実現する制度的な裏づけともなる。この点が、リクール正義論の最大の射程である。}, pages = {49--61}, title = {リクール正義論の意義と射程}, volume = {49}, year = {2015} }